施設のお母さん

お風呂75歳のおばあちゃんのお話です。
おばあちゃんは施設が出来て最初から入居していて要介護も低かったのですが、清潔保持、つまりお風呂にはなかなか入ろうとしませんでした。
私が声掛けしても「もう入りましたから」とお風呂に入らない日がありました。しかし、そのおばあちゃんは面倒見がよく、新しく入ってくる入居者の方には自分から挨拶をしたり、本来ならばグループホームなので、食事は毎食スタッフが準備をするのですが、おばあちゃんは自前のエプロンをし、毎回洗い物を手伝ってくれたりするのです。

おばあちゃんは、洗剤をつけないで洗おうとしますが、そこはさりげなくスタッフがつけて毎回きれいに洗ってくれるのです。それはとてもとても大助かりでした。
後はお風呂問題でした。

ある日、おばあちゃんより若いアルツハイマーの女性の入居者の方が来られました。私が担当していたフロアは80~95歳ぐらいの高齢な方が多かったため、2人はすぐに意気投合し、一緒に座って食事をしたり、テレビを見たり常に一緒に生活をしていました。
新しく入居されたそのおばあちゃんはお風呂が大好きで、グループホームに入居される前も夕方にお風呂に入るのが習慣だったそうです。
そうですよね。家にいる時は、当然お昼からお風呂になんかは入りません。しかし施設はその時間夕食に重なるし、スタッフの人数的に考えても、夕方のお風呂はむずかしいと考えたんです。施設ではよくあることなのだと思います。

そんなある日です。お風呂に入りたい!と新しく入居してきたおばあちゃんが夕方言われました。上司に相談すると「介護度も高くなしし、見守りだけでも大丈夫だからやってみようか」と言ったので入っていただくことにしました。
その時です。「あなたも一緒に入りましょうよ!」とそのお風呂嫌いのおばあちゃんを誘ったのです。おばあちゃんは最初は断っていましたが、私たちも後押しをすると、「じゃあ、入ろうかしら」と言って、一緒に入ってくれたのです。
見守りしていると、2人で背中を流しあったり、湯船に浸かって楽しそうに話をしたりしていました。
あんなにお風呂嫌いだったおばあちゃんが、今では毎日夕方の入浴が日課になっています。

スタッフの力では、なかなかうまくいかないこともいっぱいあるのですが、おばあちゃんにできた新しい「お友達」のおかげで本当に助かりました。
今も二人で仲良くお話されています。


関連記事

ところてんの看板

90歳までところてんを作っていたおじいちゃん

知り合いのおじいちゃんの話です。そのおじいちゃんは90過ぎまでひとり暮らしをしており、一人で朝早

記事を読む

はちみつのビン

はちみつで認知症の介護を決意

祖父は一人暮らしをしていましたが、認知症の症状が進み少々嫌がるのを説得して我が家へ迎え入れました。

記事を読む

手をつなぐ

二人の夫婦愛に感動

私が勤めていた、グループホームには様々な入居さんがいらっしゃいました。 その一人の女性についてのお

記事を読む

おじいちゃんおばあちゃんとまご

よい町の条件。介護施設のある町

自分の子育てに余裕が出てきたのを期に、仕事を始めるママ友が多いです。 特に介護施設。介護施設で

記事を読む

no image

昼夜逆転のおばあちゃん

まもなく90歳になろうかというおばあちゃんの話です。 そのおばあちゃんは要介護も高く、車イス生

記事を読む

夫婦で食事

ちょっと、コイコイ!

90歳過ぎたおじいちゃんの話です。 そのおじいちゃんは、ご夫婦で施設に入居されておりましたが、奥さ

記事を読む

たばこ

タバコはないかのー

施設に入居してきた71歳の男性の話です。近所に家があり、徘徊をされるため入居に至りました。 入

記事を読む

おばあちゃんの手

手をぎゅっと握りかえしてくれたおば

【第6話】で登場したおばのその後についての話です。 息子さん夫婦はおばが原因ではないようですが、不

記事を読む

no image

初めて勤めた施設で出会ったおばあちゃん

私が資格を取って、勤め始めたときに初めて出会ったおばあちゃんについてのお話です。 そのおばあち

記事を読む

no image

レビー小体型認知症のおばあちゃん

認知症の中にはアルツハイマー型認知症と、レビー小体型認知症というものがあります。 今回はレビー小体

記事を読む

相続の相談ができる専門家探しのサイト「相続相談の窓口」
相続の相談ができる専門家探しのサイト「相続相談の窓口」


相続の相談ができる専門家探しのサイト「相続相談の窓口」
遺言の相談ができる専門家探しのサイト「遺言相談の窓口」


成年後見の相談ができる専門家探しのサイト「相続相談の窓口」
成年後見の相談ができる専門家探しのサイト「相続相談の窓口」




PAGE TOP ↑