ある日突然に出来事
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最終更新日:2014/01/13
みんなに聞いてほしい介護エピソード アルツハイマー, 介護
}70歳過ぎのおばあちゃんが入所してきました。軽いアルツハイマーで足腰もお年のわりには元気で、食事の後の片づけを手伝ってくれて、トイレも自分で行けるようなとても大丈夫な方でした。
ある日の私の夜勤の時のお話です。忘れもしませんそれは夜中2時過ぎの事でした。突然ドスンッと大きな物音がしました。物音のした方に行ってみると、おばあちゃんが、ベッドのすぐ下で座っていました。
すぐに駆け寄ると、「トイレに行こうとしたら、足を滑らしてしまって、しりもちついてしまって」と言うのです。嫌な予感がしました。「動けますか?」とたずねると、上半身は動けますが、下半身は動かせないというのです。
すぐに他の夜勤スタッフに伝え、夜中でしたが上司に連絡を取り救急車を呼びました。結果は大腿部骨折でした。高齢者での大腿部骨折は、車イス生活や、寝たきりへの一歩にもつながります。
私は、自分を責めました。見回りしていたのに、見守りでいいと気のゆるみがあったんだと、自分を責めながら仕事をしていました。そのおばあちゃんは入院をし、骨折を治してから施設に戻ってきました。私は会うのがとても怖かったです。すると、おばあちゃんが私のところに来てこう言ったのです。「あなただったわね、私がこけた時に駆け寄ってくれたのは。すぐに来てくれて嬉しかったわ、ありがとう。」
私の事を覚えていてくれてたのです。「ごめんなさい、私がもっとちゃんとしていれば。」というと、おばあちゃんは「あなたは自分を責める必要はないわ、ちゃんとやってくれたわよ。私、歩けるように頑張るから!」と言ってくれたのです。
その後、毎日毎日リハビリを繰り返して、日にちはかかりましたがなんと歩けるようになったのです。初めておばあちゃんが立って歩いたのを見たとき、感動して、泣いてしまいました。
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