昼夜逆転のおばあちゃん
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最終更新日:2014/01/13
みんなに聞いてほしい介護エピソード 介護
まもなく90歳になろうかというおばあちゃんの話です。
そのおばあちゃんは要介護も高く、車イス生活で生活全般において介護が必要です。そのおばあちゃんは入所当初から、昼夜逆転で昼間は寝ていることが多く、逆に夜中は元気になり大声を出したり、時にはオムツをはずして放尿してしまうといった、いわゆる手のかかるおばあちゃんです。
そんなおばあちゃんのところには、ほぼ毎日のように義理の弟さんのお嫁さんが施設に来てはオムツを持ってきたり、好きな食べ物を持ってきたりしていました。おばあちゃん本人というと、ちゃんとお嫁さんのことを理解している時もありますが、ちゃんと分からない時もあります。
分かってる時は「○○ちゃん、いつもありがとね」と言ってくれるので嬉しいとお嫁さんは喜んでいました。しかし、引き続き昼夜逆転は続いていたため、大声を出して他の入居者さんも起きる時もあるので問題でした。
ある夜勤の時、オムツを外しはじめたため、トイレに「行ってみますか?」というと、「行ってみよう」と言ったので、トイレに連れて行ってみると、ちゃんとすることができました。そしてその後オムツをつけたら、外さなくなったのです。
おばあちゃんは畳に布団を敷いて寝ていたので、横になっていただき添い寝をしてみることにしました。そうすると、初めはひとりごとを言ってたんですが、だんだん眠たくなってスヤスヤ寝息を立て始めたのです。夜中1時過ぎてましたが、ぐっすり眠っていました。
次の日は初めてみんなで朝食をとることが出来ました。おばあちゃんは寂しかったんですかね。私が夜勤の時は添い寝をして、オムツをはずしはじめたら、トイレに誘導していると、叫んだりは無くなりました。少しずつ寝てくれる日も多くなりました。昼夜逆転も少なくなり、普段の生活に一歩でも近づけるよう日々頑張っています。
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