老人ホームでのあたたかな時間
公開日:
:
最終更新日:2014/01/13
みんなに聞いてほしい介護エピソード 介護
娘は歌の教室に通っています。通い始めてずいぶん経ちますが、年に数度の発表会以外に日頃の成果を披露する場がいくつかあります。
町のお祭りや学校の文化祭、小さなコンサートのゲスト出演や時には子供用のCDのレコーディングもします。
付き添う私も楽しく見守らせてもらっています。娘を通していろいろな社会との関わりを持てて指導してくださる先生方、主催者側にイベントのたびに感謝してしまいます。
その中でも印象に残る活動がありました。老人ホームへの慰問です。
娘も私も老人ホームの施設内に入る経験などありませんでしたから、はじめはとても新鮮な気持ちだったのを覚えています。
みんなで到着するとスタッフの方々は温かく笑顔で迎えてくださいました。
確か雨が降っていて外は寒く、薄暗い日でしたのでその温かさは身にしみました。
控え室で最後の打ち合わせとリハーサルを終え、いざ広間へ行くと、たくさんのおじいちゃん、おばあちゃんたちが拍手で歓迎してくれました。
歌う子どもたちはいつもと違う雰囲気に少々緊張しているようでしたが、壇上に2列で並び滑らかにスタート。
子どもらしい大きな声で歌いました。
馴染みのある歌、懐かしい歌。数曲披露しました。
先生はご高齢の方にも歌えるような曲を選曲し、みなさんも歌うよう促します。
音楽の力はすごいです。みなさんは子どもたちの声に集中して耳を傾けてくれますし、知っている曲では自然と手拍子が起こります。
さらに気分がのってくると体を左右に動かして本当に楽しそう。一番後ろの席で全体を見渡していた私は会場の一体感をひしひしと感じました。
窓の外は雨で寒々しいのに歌声があふれたここは別世界。歌を習わせていてよかったなあと思えたひと時でした。
関連記事
-
-
きのこ狩りをやめて認知症になった祖母
田舎に住む90歳を過ぎた祖母は多くのものを私たち孫に与えてくれました。 小学校の夏休みは1ヶ月
-
-
アルツハイマー型認知症の怖さ
92歳のおじいちゃんの話です。 そのおじいちゃんは一代で会社をおこして成功させた方で、会長までやら
-
-
認知症お世話になった方々
大学生の頃、都内の郵便局に勤める知り合いのおじさんがアルバイトとして私を採用してくれました。おじさん
-
-
覚えていてくれたんだね、お婆ちゃん
私の亡くなったおばあちゃんの話です。おばあちゃんは102歳という長寿でなくなりました。おばあちゃんは
-
-
レビー小体型認知症のおばあちゃん
認知症の中にはアルツハイマー型認知症と、レビー小体型認知症というものがあります。 今回はレビー小体
-
-
認知症になったお隣のおじいちゃん
長年自治会長を務められたとお聞きしましたから人望と責任感がある方だったのだと思います。お隣の
-
-
お父さんいかないで・・・
私の母方のおばについての話です。 おばは長年パートで飲食店で働いており、朝、息子さんのお弁当を
-
-
はちみつで認知症の介護を決意
祖父は一人暮らしをしていましたが、認知症の症状が進み少々嫌がるのを説得して我が家へ迎え入れました。
-
-
よい町の条件。介護施設のある町
自分の子育てに余裕が出てきたのを期に、仕事を始めるママ友が多いです。 特に介護施設。介護施設で
-
-
ちょっと、コイコイ!
90歳過ぎたおじいちゃんの話です。 そのおじいちゃんは、ご夫婦で施設に入居されておりましたが、奥さ
PREV :
認知症のおばあさんが孫の運動会を応援
NEXT :
よい町の条件。介護施設のある町