タバコはないかのー

たばこ
施設に入居してきた71歳の男性の話です。近所に家があり、徘徊をされるため入居に至りました。
入居してからも、リビングや他入居者さんの部屋に入って行きそうになったりと、いわゆる、問題行動はありました。
しかも、紙パンツをしているのですが、尿意はあるので、したい!って思ったらところかまわず、立小便をしてしまうのです。
紙オムツにもしているので、紙オムツは外せないのですが、尿意があるってことは大事なことです。

私たちは、動きを観察し、どうも、徘徊しているのは、トイレを探している兆候だと分かりました。
そんな時は直接「トイレに行きましょう」とは言わず「散歩でも行きましょう」と誘うのです。そして、トイレに連れて行き、「行く前に小便でもしときましょうかぁ」と言うと、最初は失敗もありましたが、段々成功数が増えていき、立小便がなくなったのです。

ほっとしたのもつかの間、今度はタバコはないのか?と一日中言い始めました。どうやら、家では愛煙家だったよう。
しかし施設では吸えません。「今日はもうタバコ売り切れたんよぉ」というと、「そうかぁ、、悲しいのぉ」と言ってがっかりするんですね。
そんな男性を元気にさせるのは戦時中の話でした。子供の時の話、軍隊に行った話、ちゃんと聞いてあげると、段々タバコも忘れ、落ち着いてくれるんです。

そしてそんな男性が大好きだった歌は「岸壁の母」という戦争の歌でした。そのイントロを聞くだけで泣いてしまうその男性はとてもかわいかったです。認知症の方の徘徊は確かに家族にとっては問題の一つです。しかし、本人には理由があり行動しているのです。それに寄り添うことが大事だと思います。


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