いったんは見放されてしまったものの・・・

おばあちゃんと孫65歳過ぎになる女性の方の話です。その方は60歳までしっかり会社に勤めていた、いわば今で言うキャリアウーマンでした。
60歳で定年退職し、その後は息子さん夫婦と同居し、お孫さんの面倒を見ながら余暇を過ごしていました。

しかし今までバリバリに働いていた分、趣味もなかった方だったので段々と脳が縮んでいき、アルツハイマー型認知症になってしまいました。
早朝から家を出ていき近所をうろうろして帰れなくなったり、朝から落ち葉ひろいをして、それを片付けようと本人は思ったみたいで、落ち葉を燃やして消防車が呼ばれたりと家族は困惑と、疲れ果てていました。

そんな時、近くに認知症対応の施設が出来たため、入居されました。オープンしたてのところという事でもあり、施設はとてもきれいです。
でも周りは平均80歳のおじいちゃん、おばあちゃんばかり。そんな中65歳は若い方に入るので、「なんで私はここにいるの?帰ります!」と暴れたそうです。家族も疲れていたため、「家には帰さないで下さい」と、言われており施設側も大変だったそうです。

月日が流れ、施設にも慣れてきたころ、ある日、

「家に帰らなくちゃ!」

と言い出したのです。また始まったのか?とスタッフさんは思ったそうですが、話を聞くと、

「孫が帰ってくる時間なの。でも嫁は働きに行ってるから帰ってきて一人では可哀想だから行きたい」

と言ったそうです。家族にも連絡を入れ、スタッフ同行し、家まで行くことにしました。スタッフは住所わかるものの家は知らず、ナビで行こうとすると、その方は、「この道を右に曲がったら○件目がいえだから」と、ちゃんと覚えているのです。確かにその方の家でした。チャイムを鳴らすと、お孫さんが出てきて「おばあちゃんどうしたと?」というので「心配になって帰ってきたんよ」と伝えると、「僕は大丈夫だからおばあちゃんも早く病気治して帰っておいで」っていうんです。

そのことを家族に伝えると、毎日はきついけど、たまには連れてきてください。その方が子供にとってもおばあちゃんにとっても、いいことだと思うのでと言われたそうです。一旦は会いたくもないと言われていたのに、今では家族の休みの日などに少しの時間ですが、会われているそうです。


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