成年後見人と本人の財産管理

成年後見人 財産管理今までのコラムの中で、成年後見制度の歴史、成年後見制度の種類などを書いてきましたが、今回からは、もう少し具体的な成年後見制度の活用方法についてお話していければと思います。

今回は、後見人を家族がやる場合を想定して「本人と後見人の財産管理」というテーマでお話したいと思います。

 

 

本人と後見人の財産管理では、財布を分けることが重要

例えば、夫の成年後見人に妻がなる場合を考えてみましょう。

 

例:本人(夫)がアルツハイマー型の認知症で本人の判断能力が少しずつ低下してきている。本人は、現在、別の病気のために入院中。認知症の進行から考えて、本人での財産管理が困難なため、妻が成年後見人として財産管理を行う。夫には年金で毎月の収入があり、妻はこの年金収入から生活費を支出する。

 

さて,この場合どのように財産管理をする必要があるのでしょうか?

上記のパターンでは、夫の収入をどのように管理するかがポイントになってきます。

夫の収入のうち、妻の生活費などで使用する場合には、ちゃんと分けて管理する必要がありますので、注意してください。

具体的に成年後見人としての財産管理で不適切と指摘される可能性があるパターンを挙げてみます。

 

成年後見人として不適切な財産管理

例1:夫(被後見人)の預金口座から、妻が必要な生活費を随時下ろして使用する。

解説:このように必要に応じて口座からお金を引き出してしまうと、後見人と本人の財産区分が曖昧になってしまうため、適切だとは言えません。毎月、必要な金額を計算した上で、月に1回まとめて引き出すようにしましょう。

 

例2:自宅のパソコンを新しく買い換えるために、夫(被後見人)の財産から一部支出した。

解説:本人が現在入院中だということを考えると、パソコンを自宅に購入するというのは、本人には必要のないものだと考えることができます。それに対して夫の収入から支出するというのは、不適切だと指摘される可能性があります。

 

例3:親戚等へのご祝儀を夫の名前で支出する。

解説:すでに後見人に妻になっている場合には、問題があります。本人はすでに財産管理能力が無いと判断されえ成年後見人が選定されているため、ご祝儀等の意味も理解できていないと判断される可能性が高いです。このように、やむを得ない状況において、夫の財産から支出する場合は、常識の範囲内であれば許容されることが多いですが、自ら判断ができない場合には、家庭裁判所に相談をする必要があるでしょう。

 

成年後見人になるための資格とは


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