職業後見人利用時の注意点
職業後見人を利用する際の注意点を知っておこう
今回は成年後見制度の中でも職業後見人を利用する際の注意点について説明します。
成年後見人制度の中で行う職業後見人が行うのは、「財産管理」と「身上監護」と言われています。職業後見人を雇うに当たってトラブルになるのが多いのが、この解釈だと言われています。この監護というのは、監督と保護という意味であり、「危険から守り危険なことをさせないようにする」程度のニュアンスの言葉です。親権の一種で、子供が悪いことをしたり悪いことに巻き込まれたりしないようにする親の責任と言えば解かりやすいでしょうか。
職業後見人は看護も介護もしません!
つまり、監護の仕事である職業後見人には「介護」も「看護」も仕事ではありません。家族としましては月に数万円の出費をするのだから、そこまで全部世話をしてくれるという期待感を持って職業後見人に仕事を頼むと、後で「何もしてくれなかった」とトラブルになるがあります。
更にこの監護を「決定権の譲渡」という認識にまで至ってしまう場合には、依頼人と職業後見人双方に問題がでることもあります。頼まれるがままに本人の財産が勝手に、配偶者や子、孫と言った親族者に贈与したり、貸し付けりしてしまい、職権以上のことをしてしまう可能性があります。そうしたことから重大な違法行為に繋がることもあります。
大事なのは、本人、家族、職業後見人の信頼関係
職業後見人を雇う際に、最も大切なことは双方が成年後見人制度に対してきちんとした理解を持って接しているかどうかです。まずは、お互いにより良い関係でいられるよう、努め、家族の方はもちろん、本人や職業後見人がきちんとした認識を持っているのか確かめてみましょう。
一方で家族が後見人になる場合のリスクも知っておきましょう。
関連記事
-
-
成年後見人になるには資格が必要?
成年後見人になるために、特別な資格が必要ということはありません。しかし、誰でも成年後見人になれるとい
-
-
成年後見制度の自由性
成年後見制度の自由性について知っておこう 成年後見人は複数でもなれます 成年後見
-
-
職業後見人を選任する方法
職業後見人の活動について知っておこう 職業後見人は、司法書士、弁護士、社会福祉士
-
-
成年後見人を依頼する人のまとめ
任意後見の後見人は誰に頼むべきか 任意後見は本人の意向で後見人を選びます 任意後見制度においては
-
-
市民後見人の活動について
市民後見人の活動について知っておこう 今回は、市民後見人について詳しく解説します。 そもそも市民
-
-
成年後見人になれる人、なれない人
成年後見人になる資格とは? 任意後見人の資格については特に法令上の制限はありませんので、条件はあり
-
-
後見人の禁止事項とは
後見人を選ぶ時は本人が本当に信用できる人物を選びます。 それでも家族からしてみれば、状況によっては
-
-
成年後見の法定選任の種類
成年後見人、保佐人、補助人 成年後見人制度で、
-
-
被後見人が遠くにいる場合の成年後見
《被後見人が遠隔地にいる場合はケースバイケース》 入院などの事情によって、遠隔地にいる本人を成年
PREV :
成年後見制度の自由性
NEXT :
職業後見人を選任する方法