被後見人が遠くにいる場合の成年後見
《被後見人が遠隔地にいる場合はケースバイケース》
入院などの事情によって、遠隔地にいる本人を成年後見人制度の対象にしようと申し立てをする場合はどうなるのでしょうか。
期間未定で入院中で、いつ退院できるかどうかもわからず、認知症などの判断力に纏わる病気が悪化している状態です。その財産管理のために成年後見人になりたいと考えたを持ったAさんは、自分を後見人とするために申し立てを行います。
この場合は、どうなるのでしょうか?
財産管理は遠隔でも可能だが、身上監護はできない?
「財産の管理を本人のために行ないたい」というAさんの気持ちは本当のものです。しかし、成年後見人には財産管理と身上監護の2つの役割があります。財産管理は遠方でも可能ですが、身上監護を行いその人の生活をみて相談をしながら支援していくことが、可能かとというと難しいところです。後見人としてだけの権限を全うできない可能性もあります。しかし、この場合ですと、毎日電話をかけて貰い、その会話だけで様子を計れる知識や経験があるのなど、後見人の裁量によっては全うできる場合もあります。
判断があいまいなときは、成年後見人は最終的に裁判所が選任する
そうした場合は、最終的には裁判所が選任することになります。
遠隔地に住む本人に対する後見人が可能であるか否かは家庭裁判所にもよりますし、その後見人の状況やプランによっても違います。ケースバイケースというところでしょう。ただ、遠隔地と言ってもちょっと県をまたぐぐらいなら普通に大丈夫ですし、かなり遠隔地でも月1回程度通える程度という事情があり、それを実行していくならば、問題ありません。
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