親族が成年後見人になるリスクとは?
成年後見制度の利用を判断する上で、問題になってくることとして必ず挙げられるのは、成年後見制度の利用を誰が決めて、いったい誰が手続きを進めていくかということです。
色々なパターンを見ていると、意外にも親族が成年後見制度の利用に対して障害になってくるケースが多いように思います。
今回は、成年後見制度の利用の過程で本来、本人を助けるはずの親族が障害となってしまう事例について解説します。
これから任意後見などで、後見人を親族にされようとしているご本人や、後見人になろうとされている親族の方、どちらの方にもぜひ読んでいただければと思います。
親族にすべての判断を任せすぎるのは危険!
成年後見制度の利用を考える上で、親族がいる場合の多くは、とくに深く考えずに成年後見制度の利用やその手続きを親族に任せてしまいます。
しかしながら、親族にすべてを任せてしまうことで成年後見制度の手続きが遅延したり、手間取ったりしてしまうことで、結果的に本人が悪徳商法の被害にあってしまうという事例が多く報告されています。
親族は成年後見人になることの負担を考慮すること!
また、成年後見人自体を親族が引き受けるという話もよく聞くことですが、成年後見人としての業務はそう簡単なものではありません。
成年後見人としての業務には、日常的な財産管理がありますが、請求書や領収書の管理はもちろん、金銭出納帳の記載、そのほかにも多くの事務作業が発生します。
さらに家庭裁判所の監督権に基づいて、成年後見事務記録の提出を行う必要もありますので、このような作業に慣れていない親族にとっては、かなり重労働だと言えるでしょう。
ご本人は親族に成年後見人になってほしいと思う場合には、正しくこれらの業務があるということを伝える必要があると思いますし、また、成年後見人になろうと考えている親族の方も、本当に自分で引き受けられるのか、再度考えたほうが良いでしょう。
成年後見制度に困ったら司法書士に相談してみよう
もし両者が難しいと判断した場合には、司法書士や弁護士などに成年後見人になってもらうということも検討する必要があるでしょう。
司法書士や弁護士などに成年後見人になってもらうと、やはりプロということで、事務手続きや日々の財産管理などは細かく行ってもらえるので、メリットだと言えます。
しかし、任せるには費用もかかりますので、よく考える必要はあります。
迷った場合などは、一度司法書士事務所に相談するのも良いでしょう。多くの司法書士事務所では、成年後見制度について無料相談を行っています。
ご本人、親族が一番良いと思う方法をしっかりと考え、ご自身にあった選択ができるようにしっかりと成年後見制度について学んでおきたいところですね。
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