法定後見制度の申し立てから利用
誤解していませんか?成年後見制度利用までの時間
成年後見制度の中でも、すでに本人の判断能力が十分でない場合にすぐに後見人をつける仕組みを、法定後見制度といいますが、多くの方がこの法定後見制度について誤解されています。
法定後見制度は裁判所に申し立てをすればすぐに使える。
じつはこれが大きな間違いなのです。
実際には法定後見制度を裁判所に申し立ててから、実際に後見が開始されるまで、平均で2~3ヶ月程度はかかると言われています。
精神鑑定が不要な場合は1ヶ月程度の時間で後見が開始されることもありますが、逆に4~5ヶ月程度かかってしまうことも少なくありません。
必要になってからでは遅い成年後見制度の申し立て
このように、成年後見制度の申し立てには時間がかかるので、いざ本人の世話ができなくなってから裁判所に成年後見制度の申し立てをしても遅いのです。
将来的に成年後見制度の利用が見込まれる場合には、早いうちから準備をしておくことが必須だといえるでしょう。
成年後見の申し立てが遅れたことで起きた事件
母親と知的障害のある息子の2人ぐらいの家庭で、突然母親が急死してしまい。長男もその後、餓死してしまうという事件が以前に起きたことがあります。この事例については、母親がはやい段階で成年後見制度の利用に踏み切っていれば、長男まで餓死することは無かったかもしれません。
こういった悲劇を起こさないためにも、早めの成年後見制度の利用を検討するべきでしょう。
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