オムツ外しを繰り返してしまう認知症の方への対応
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夜間に必ずオムツ外しをする認知症の方への対応、あなたなら?
90歳過ぎになる認知症のおじいちゃんのお話です。おじいちゃんは病院にいたのですが、私の施設に入所してきました。おじいちゃんの荷物を出していると、拘束着が出てきました。いわゆる、つなぎのようなもので手足が動かせないようにする、着たらミイラみたいな状態になるという服です。それは、原則的には使ってはならないものです。しかし、以前の病院ではオムツ外しが多いという事で着せていたらしいのです。
オムツ外しの対応法ではなく、オムツ外しの理由を考えよう!
私たちがいた施設では絶対に使わないというのをはじめから決めていましたので、夜間のオムツ外しは大変でした。しかも痩せていたためオムツがサイズが合わず、漏れてしまうんですね。そこで、私たちは考え、意味があって外しているという事だから、様子を見てみようという事になりました。わたしが夜勤の時、ビリビリと音がするので行ってみると、オムツを外そうとしていました。
おじいちゃんに聞いてみると、「なんか気持ちが悪いったい。しっこまいたい(おしっこをしたい)」というので、ポータブルトイレに連れて行ってみることにしました。すると、おしっこがちょこっとですが出ました。おじいちゃんは「すっきりした」と言ってすんなりオムツをつけさせてくれました。夜勤帯に何度もあることなのですが、その都度対応していくと、段々おじいちゃんのオムツ外しもなくなり、ぐっすり眠ってくれる時間も長くなりました。
理由はそれぞれ違います。認知症の方の気持ちを理解するよう努めましょう
どうやら、そのおじいちゃんの場合、寂しさが理由でオムツ外しをしていたようです。ストレス解消みたいなものでしょうか。夜勤帯、おじいちゃんが起きて外そうとするときは、そばに寄り添い、声掛けをすると外すのを止めます。認知症でも自分の気持ちはどこかで持っているものです。それを大切にしていくことが認知症と上手く付き合っていくことではないでしょうか。
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